◇企業紹介◇
株式会社ロフトマンは、1976年に京都で創業したセレクトショップです。今年で創業50周年を迎え、現在は京都・大阪・東京の3都市で店舗を展開しています。アメリカやヨーロッパからのインポートブランドを中心に、世界各国の厳選されたアイテムをセレクトし、こだわりのある商品を提供し続けています。創業当時は社員数名の小さな会社でしたが、現在は約120名のスタッフを抱える企業へと成長しました。今回は、24歳でアルバイトとして入社し、10年で役員、そして代表取締役社長へと上り詰めた木村真社長に、学生団体GOATがお話を伺いました。セレクトショップ業界で働くことの魅力、人材育成への想い、そして50周年を迎えた今後のビジョンについて、熱く語っていただきます。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」——大企業を選ばず、小さなセレクトショップを選んだ理由
木村社長がロフトマンと出会ったのは、大学生時代のことでした。当時から服好きだった木村社長は、京都にあるこのセレクトショップに足繁く通っていたといいます。大学卒業後は一度サラリーマンとして就職したものの、「服屋になりたい」という夢を諦めきれず、わずか1年で退職。24歳でロフトマンにアルバイトとして入社しました。
「僕は大きい会社の1個人、1スタッフになるよりかは、当時のロフトマンはまだ規模も小さく、社員も数名しかいなかったんで、そういうところの会社に入って大きくしていきたいっていう気持ちがあったんです」
木村社長が大切にしていたのは、「鶏口となるも牛後となるなかれ」という言葉でした。大きな会社の末端にいるよりも、小さな会社の先頭に立ちたい。その想いが、当時京都にしか店舗がなかったロフトマンを選ばせたのです。
当時のロフトマンは、アメリカやヨーロッパからのインポートブランドをいち早く紹介する、こだわりのあるセレクトショップとして知られていました。「インポート中心にして、海外のブランドとかを多く紹介してる店だなっていうのがあった」と木村社長は当時を振り返ります。その独自のセレクトと、まだ小さいからこそ自分の手で大きくできるという可能性に、若き日の木村社長は心を動かされたのです。
◾ 取材担当:学生団体GOATの感想
「鶏口となるも牛後となるなかれ」という言葉を実際に体現している方にお会いしたのは初めてでした。大企業に入れば安定が得られるという考え方が一般的な中、あえて小さな会社を選び、自分の手で大きくしていくという選択は、大きな勇気が必要だったはずです。就活において「安定」を求めがちな私たち学生にとって、木村社長の選択は非常に刺激的でした。自分が本当にやりたいことは何か、どんな環境で成長したいのかを改めて考えさせられる言葉でした。
アルバイトから10年で役員へ——異例のスピード出世を支えた「提案力」
24歳でアルバイトとして入社した木村社長は、その後、社員、店長、マネージャー、役員とステップアップしていきました。35歳で役員に就任したということは、入社からわずか11年という異例のスピードです。通常のサラリーマンではあり得ないこの昇進の背景には、木村社長の積極的な「提案力」がありました。
「僕が入社してる時のロフトマンって京都だけだったんですけど、大阪出店したりとか店舗広げていくっていう、スピード感を持ってロフトマンっていう認知を上げていきたかったんです。当時の社長に色々プレゼンして、出店っていうものを進めていってブランド確立していったんです」
木村社長は、ただ与えられた仕事をこなすのではなく、会社の将来を見据えた提案を積極的に行っていました。当時の役員が退職したタイミングと、自身の提案が次々と成果を出していたことが重なり、異例のスピードでポジションを獲得していったのです。
2015年に社長に就任し、2022年には代表取締役に。約20年にわたって経営に携わってきた木村社長ですが、その原点は「自分でこの会社を大きくしたい」という強い意志でした。サラリーマンとしての安定を捨て、アルバイトからのスタートを選んだ木村社長だからこそ、会社の成長を自分ごととして捉え、積極的に動くことができたのでしょう。
◾ 取材担当:学生団体GOATの感想
「提案力」という言葉は就活でもよく聞きますが、実際にそれを武器にして役員まで上り詰めた方の話を聞くと、その重みが全く違いました。ただ提案するだけでなく、会社の将来を見据えた上で、自分の考えを形にしていく。それは単なるアイデアマンではなく、経営者としての視点を持っていたからこそできたことなのだと感じました。就活生として、自分の提案がどれだけ会社の成長に貢献できるかという視点を持つことの大切さを学びました。
「いい人が集まれば売上は必ず上がる」——人材育成を軸にした経営哲学
20年以上にわたって経営に携わってきた木村社長が最も大切にしていることは、シンプルでした。「働いてくれてるスタッフがいかに楽しく、居心地がいい会社を作れるか」——それだけを念頭に置いているといいます。
「いい人が集まれば売上は必ず上がるので、人の確保と人の教育、環境作りをいかに作っていくかっていうのを念頭においています」
多くの企業が売上目標や業績を最優先に掲げる中、木村社長は人材を起点に考えます。「人材が育ってないのに会社だけ大きくしようと思ってない」という言葉には、経営者としての確固たる信念が込められていました。
ロフトマンでは、新卒採用ではなく、学生時代にアルバイトとして働いていた人がそのまま社員になるケースが多いといいます。会社の文化や仕事内容を理解した上で入社するため、ミスマッチが少なく、長く働き続ける社員が多いのが特徴です。また、会社を辞める人の多くは、「自分で独立して店をやりたい」「さらなるステップアップのために」という前向きな理由だといいます。
「会社が嫌でやめていくっていう感覚は、あまりないかなっていうのは自分でも思ってます。アルバイト入社して社員になった子たちは結構長いこといてくれています。」
木村社長は、スタッフが辞めていく際には必ず話を直接聞き、その原因を組織づくりに反映させています。人を大切にする姿勢が、結果として会社の成長を支えているのです。
◾ 取材担当:学生団体GOATの感想
「いい人が集まれば売上は必ず上がる」という言葉は、一見当たり前のように聞こえますが、実際にそれを経営の軸に据えている企業は意外と少ないのではないでしょうか。多くの経営者の方にお話を伺う中で、人手不足に悩む声を9割以上の方から聞いてきました。その中でロフトマンが人材を確保できている理由は、この「人を起点にした経営」にあるのだと実感しました。就職先を選ぶ際に、その会社が社員をどう扱っているかを見極めることの重要性を改めて感じました。
「ノーとは言いたくない」——若手の挑戦を後押しする組織文化
ロフトマンのInstagramフォロワー数は約8万人。インスタライブや写真撮影など、すべて社内のスタッフが企画・運営しています。外部のカメラマンやプロを雇うのではなく、PR部門のスタッフが自分たちで考え、実行しているのです。
「僕が別にやりなさいって言ったわけではないんです。現場で発想して、こういうことやっていきたいっていうのを、極力僕自身はノーとは言いたくないんです。まずはやってもらうっていうのが大切だと思っていて」
木村社長は、スタッフからの提案に対して「それは違う」と否定することを避けています。自分の考えを押し付けてしまうと、組織の広がりがなくなり、スタッフのモチベーションも失われてしまうからです。「やりたいっていうことは、極力やらしていってあげたいな」という姿勢が、スタッフの主体性を引き出しています。
ロフトマンでは、マネージャーなどの管理職を外部から採用することはありません。すべて社内で育った人材が昇進していく仕組みです。これは、現場を知り、会社の文化を理解した人間がリーダーになることで、組織の一体感を保つためです。
「どうしたらフォロワーが増えるかとかいうのも、みんなで考えながらやってくれてはいますけどね。色々と考えてやってくれてるんで、そういう部分では非常にありがたいですよね」
トップダウンではなく、現場発の挑戦を応援する。この文化が、ロフトマンの強さの源泉となっています。
◾ 取材担当:学生団体GOATの感想
「ノーとは言いたくない」という言葉に、木村社長の経営哲学が凝縮されていると感じました。上司に提案しても否定されるかもしれないと思うと、なかなか発言できないものです。しかし、ロフトマンでは提案が歓迎され、実行に移せる環境がある。これは、若手にとって非常に魅力的な職場環境です。就活生として、自分のアイデアを活かせる会社かどうかを見極めるポイントとして、この「提案を受け入れる文化」があるかどうかは重要だと学びました。
50周年のその先へ——「スタッフの夢を叶える企業」を目指して
2026年、ロフトマンは創業50周年を迎えます。しかし、木村社長は「会社をこれぐらいの規模まで持っていこう」という数値目標を掲げていません。大切にしているのは、スタッフが「こういう会社を作りたい」「こういう方向に行きたい」と思ったことを叶えられる企業であること。
「あえてある程度のビジョンは持ってるんですけど、そこに向かうためだけにスタッフについて来いって感覚じゃなくて、働くみんながワクワクドキドキ楽しいなって思える企業を作っていって、その先に売上や店舗展開があると信じている。」
現在、ロフトマンは京都・大阪・東京の3都市で展開していますが、将来的には全国の主要都市への出店を視野に入れています。しかし、それはただの拡大戦略ではありません。
「京都って特殊な街で、地方からいろんな学生たちが入ってくるんですけど、やっぱりいつかは地元に戻りたいってなった時に、うちをやめて戻らないとダメってなると、なかなかリスクが大きい。服屋は続けたいけど地元には帰りたいっていうスタッフに、FC(フランチャイズ)という形で第2のステップを援助できる会社作りをしていきたいなと思ってます」
10年以上ロフトマンで働いた人間が、地元でフランチャイズとして独立できる仕組み。これは、スタッフの人生設計まで考えた、まさに「人を起点にした経営」の延長線上にあるビジョンです。
◾ 取材担当:学生団体GOATの感想
50周年という節目を迎えても、数字を追うのではなく「スタッフの夢を叶える」ことを軸に据えている姿勢に感銘を受けました。特に、フランチャイズ展開の構想は、単なる事業拡大ではなく、スタッフの人生を長期的にサポートするものです。「この会社で働き続けたい」と思える理由が、ここにあると感じました。就活において、会社のビジョンがどこに向いているかを見極めることの大切さを学びました。

就活生へのメッセージ——「20代の努力は、30代40代で必ず返ってくる」
木村社長から就活生へのメッセージは、「いっぱい遊んで、いっぱい挑戦してほしい」というものでした。
「大学生って、社会人でもないけど子供でもないっていう、すごい貴重な期間だと思うんですよね。この4年間は本当に勉強も大事ですけど、いろんなところに出かけていって、いろんな人とコミュニケーション取って、社会出るまでに1人でも多くの人との繋がりを作っておくと、社会に出た時にそういう人たちが助けてくれたりするんです」
一方で、木村社長は「努力の分配」という考え方も伝えてくれました。
「20代の経験っていうのは、30代40代でいくら経験しても補えないぐらいの差がついてしまうんです。20代に8割ぐらい努力しとかないと、30代40代で圧倒的に差がついてしまう。20代で頑張ったことって、すぐには帰ってこないんです。でも、30代40代に必ず帰ってくる。その分、20代で怠けてまうと、その失敗の返しは30代40代で帰ってくるんです」
考えるより、まず行動する。失敗を恐れず、自分を信じて挑戦する。木村社長自身が24歳でアルバイトからスタートし、自分の手で会社を大きくしてきた経験があるからこそ、その言葉には重みがあります。
「こういうこと言ったら怒られるとか、否定されちゃうって思って言わない子が多いんですけど、どんどん自分で発想して、やりたいことにチャレンジしていって欲しいなと思いますね」
◾ 取材担当:学生団体GOATの感想
「20代の努力は30代40代で返ってくる」という言葉は、今まさに大学生活を送る私たちにとって、強烈なメッセージでした。すぐに結果が出なくても、今の努力は必ず将来の自分を助けてくれる。逆に、今怠けたツケは将来払わなければならない。木村社長のように、若い時から「自分で大きくしたい」という意志を持って行動することの大切さを、身をもって教えていただきました。遊ぶことも、挑戦することも、すべてが未来への投資。この取材で得た学びを、これからの学生生活に活かしていきたいと思います。